判例セレクト2009~2013[I]

本書は、有斐閣が出版する重要判例解説と並ぶ判例集。重要判例解説が、一判例につき、基本的に二ページを割り当てるのに対し、本書は、一判例につき、一ページを割り当てる。法学教室は、学術色の強い法律雑誌。学部生を中心に、院生、教員等に根強い人気を誇る。その法学教室は、毎年、二月号と、三月号の二ヶ月にわたって、判例セレクト「Ⅰ」という判例集を、別冊付録にしている。二月号で「Ⅰ」、三月で「Ⅱ」が付録となる。判例セレクトのうち、「Ⅰ」が、いわゆる上三法である、憲法、民法、刑法の判例を収録し、「Ⅱ」が、いわゆる下三法である、商法、民訴、刑訴、そしてこれに行政法を加えた判例を収録する。本書は、そんな判例セレクトのうち、「Ⅰ」の分野のものを、２００９から２０１３年までまとめた判例集となっている。注意点としては、第一に、一判例につき一ページという編集の関係上、判例に対する解説が、半ページと短いこと。これは、事実の概要、判旨、解説を、一ページ以内に収めるという都合上、仕方がないことになる。第二に、解説が、法学教室の出版された年月日の時点のものであって、アップデートされていないこと。このため、出版後の法改正や、新判例には対応していない。