バンブーロッド教書

20数年前、フライフィッシングを始めた頃、「フライフィッシングの教書」を貪り読んだことを思い出す。当時その「教書」の内容は既に古い情報になっていたが、入門者にフライフィッシングの扉を開け、その世界の楽しさを十分に教えてくれた。本書は、バンブーロッドの扉を開け、その世界のマニアックな面白さを堪能させてくれる、まさに「教書」ならぬ「狂書」であろう。フライフィッシャーは、恐らくその多くがバンブーロッドに興味を持っている。正確には、いつかバンブーロッドで魚を釣りたいと思っている。これからバンブーロッドを所有するであろうフライフィッシャーに、所有したいと考えるフライフィッシャーに、「狂書」はバンブーロッドの楽しみ方のヒントを山ほど提供してくれるであろう。そしてバンブーロッドフライフィッシャーとなった釣り人は、自分の物語を作り始めるであろう。本書は、第1部のサンテ・L・ジュリアーニと仲間たちによる示唆に富むおしゃべりに加え、第2部では山城さんや川本さんなどによる寄稿文があり、更に第3部にはバンブーロッドのライブリーまで付いているという超豪華な内容であり、まさに「教書」に相応しいと言えよう。